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2020年9月18日

エッジサイドでのメーター読み取り

金銅 亮弥 主任

こんにちは、新規事業推進センターの金銅(こんどう)です。当社はレトロフィットIoT技術に取り組んでおり、中でもお客様の引き合いが多いメーター読み取りソリューションをご紹介します。

目次

既存設備のIoTセンサ導入の課題

工場などへのIoTの導入においては、温度や消費電力などのデータを得るためにセンサーを設置します。ですが、既存の計器が存在する場合、そこからデータを取り出せるようにするには大きなコストがかかる場合があります。

例えば、水や液体の流量を読み取るためには水流センサーを設置する必要があります。ですが、そうしたセンサーを取り付けるためには、ラインに大掛かりな加工が必要になります。当然ラインも停止しなければなりません。IoTはPoCという実験段階を経て導入するものですが、その実験段階に大きなコストを投入するのは難しいお客様も多いかと思います。

※Proof of Conceptの略で、概念実証の意味。試作開発の前段階における検証やデモンストレーションを指す

SBCのメーター読み取りソリューション

SBCではSBConnectというIoTソリューションを提供しており、お客様に応じた適切なセンサーやネットワークのご提案、設置を行っています。SBCは長い組み込み開発の経験を生かし、お客様の現場に沿ったセンサーのご提案が可能です。

今回、そのレパートリーのひとつとして、カメラでのメーターの読み取り機能を追加しています。

本ソリューションでは、まずメーターの位置と種類を検出します。そして抽出した領域にメーターの種類に応じたアルゴリズムを適用し、メーターの指す値を読み取ります。

システム構成図。赤枠内が今回ご説明する内容です。

現在、アナログメーター(針で値を示すもの)、デジタルメーターに対応しています。メーターの形状や表示形式は現場によって異なりますが、SBCでは現場に応じたチューニングを行うほか、メーター読み取り導入後のセンサーの本格導入のご相談も承ります。

試作品

試作として、Raspberry Pi 4を用いたデモを作成しました。本格導入の際は同等の性能があるコンピューターであれば動作可能です。

大枠

試作品の構成は大まかに2段階となっています。

  1. メーターの位置を検出する。
  2. 検出された枠内を切り出し、値を読み出す。

今回についてはメーター位置の検出はディープラーニングではない一般的な手法で行いました。最近はEdge TPUやNeural Compute StickなどエッジAIデバイスが登場しており、ディープラーニングベースの手法への対応も可能となっています。ディープラーニングを用いることで精度の向上のほか、種類の混在した複数メーターの読み取りが可能となります。

エッジAIデバイスについてはこちらの記事もご覧ください。

メーター表示の例

今回、下記の3種類のメーターに対応しています。

デジタルメーター(7セグ)の例

液晶表示の例

アナログメーターの例

デジタルメーター(7セグ)

一般的なデジタルメーターでは7セグメントディスプレイという形式が使われます。一般的な画像処理によって各セグメントの点灯・消灯を判別し、数字を読み取ります。

液晶表示(OCR)

画面に数値を表示するタイプのメーターではOCRと呼ばれる手法を用いて解析します。

アナログメーター

アナログメーター読み取りでは、一般的な画像処理で針の位置を検出し、それをもとに数値を読み取ります。

動作イメージ

メータを検出した箇所を囲み、左下に読み取った値を表示しています。

今後対応予定のもの

今後は下記のメーターに対しても対応を予定しています。

  • マノメーターや圧力計のように縦横方向のメーター
  • ドラムメーター
  • メスシリンダーや水銀温度計のような液面読み取り

もしお問い合わせがございましたら、下記よりご連絡ください。

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